2012年1月7日土曜日

壊れそうな古い PC で、動作の軽い Puppy Linux を利用する

1. 壊れそうな古い PC で、軽い Linux を動作させたい

今にも壊れそうな PC がある。おそらく数年前のもので、CPU は Celeron 2.66GHz, メモリ 512 MB。しばらく使っていると、ファンが唸りだし、HDD へアクセスする度に異音がする。近々、廃棄予定とのこと。しかし、都合上、この PC で作業しなければならなかった。

OS は Windows XP。動作は軽いかと思いきや、メモリの使用量の多い、アンチウィルスソフトを常駐させているため、ブラウザを起動しただけで、物理メモリを超えてしまう。 そのため、Google ドキュメントで文書を作成しようとしても、なかなか反応がない。同時に、オフィス系のアプリケーションを起動すると、余りのレスポンスの悪さのために睡魔に襲われる。

Notepad++ のような、軽いエディタを使うくらいなら、何とかいける。しかし、HDD が昇天するかもしれない今、この PC のローカルに文書を保存することは躊躇われる。できることなら、クラウドに保存しておきたい。

Dropbox のような、ローカルのデータを、オンラインにも保存してくれるサービスを使い、今を乗り切る手もある。しかし、作業中の文書を、既に Google ドキュメントで管理しているので、ブラウザを利用できることが望ましい。

また、ローカルに消すことのできないデータがあり、OS を再インストールする時間的余裕もない。

そこで、CD-ROM から、軽い動作の Linux を起動し、ブラウザで Google ドキュメントにアクセスし、文書を作成することにした。

 

2. 軽いディストリビューションの候補を探す

普段は、Windows を使っている。 Linux を日常的に利用したことはない。そのため、何を使えばいのかわからない。使わなくなった古い PC に、軽いLinux をインストールするため、Windows 上の VirtualBox へ Ubuntu をインストールして検討したことはある。(2010.6.6) このときは、Ubuntu の派生である、Lubuntu を使用した。

Ubuntu の推奨環境は、

  • Pentium 4 1GHz プロセッサ
  • 1GBのシステムメモリ

    Ubuntu - Wikipedia より)

  • Ubunu を利用したら、現状より動作が緩慢になるかもしれない。CPU は大丈夫だけれど、メモリに余裕がない。

    Ubuntu日本語フォーラム / 古いPCだと難しいのでしょうか(2008-05-31) には、

    が、軽いディストリビューションとして紹介されていた。

     

    EcoLinux

    Ecolinux - Wikipedia によると、

    Ecolinux(エコリナックス)は日本で開発されているUbuntuベースの軽量Linuxディストリビューション

    EcolinuxはUbuntuのソフトウェアを用いて、ロースペックマシンの利用者等に最新かつ軽量なオペレーティングシステムを提供することを目指している。…

    Ubuntuには収録されていないようなハードウェアドライバのパッケージが多くインストールされており、Ubuntuが動作しないマシンでも動作する可能性がある。

    Ubuntu - Wikipedia には、Ubuntu の非公式な派生物として挙げられている。

     

    Puppy Linux
    Puppy Linux - Wikipedia によると、

    Puppy Linuxパピーリナックス)とは、Linuxディストリビューションの一つである。独自に開発されたLive CDLinuxディストリビューションであり、3.0以前はSlackwareと高い互換性を持っていた。…

    • RAMを利用する仕組みを採用するので、ハードディスクが無くても運用できる。また、この機能のおかげで起動時以外はLive CDが不要…
    • 個人設定はメディアやハードディスクへ恒久的に保存…
    • CPUの最低ラインがMMXPentiumクラスと、他のLive CDに比べてとても軽い。…
    • パッケージの基本的な管理は、PETパッケージ・マネージャーによって行う。…
    • Debianパッケージの利用も可能。…
    • 4.2以降の版ではパッケージマネージャがUbuntuパッケージ(.deb)に対応。…

    動作が軽いことに加え、Live CD を利用した場合でも、設定を保存できるところが興味深い。

    同じような機能は、KNOPPIX にもある。

    … CD/DVDから起動するため、書き込み(データの変更)を行うことができるユーザのホーム・ディレクトリなどがRAMディスク上に置かれており、パソコンの再起動シャットダウンで保存したデータは消えてしまう。しかし、それらをフロッピーディスクハードディスクUSBメモリなどに保存することもできる。

    KNOPPIX - Wikipedia より)

    独自のパッケージマネージャを持っているのに加え、Debian, Ubuntu パッケージも利用できるところが便利そう。

    Linuxディストリビューションには、Slackware系の1つとして挙げられている。また、Linuxディストリビューションの比較 - Wikipedia では、ベースとなるディストリビューションは、none となっている。

     

    3. Puppy Linux は軽かった

    Ubuntu, EcoLinux, Puppy Linux の Live CD を入手して、実際に起動してみた。

    その結果、Puppy Linux の動作が圧倒的に軽かった。次に EcoLinux で、Ubuntu は重くて使えなかった。

     

    Google ドキュメントの入力のために、Google Chrome をインストール
    ただし、上記バージョンの Puppy Linux のデフォルトブラウザでは、Google ドキュメントで、日本語入力が上手くできなかった。当初、エディタで文字を入力してから、Google ドキュメントにコピペしていた。デフォルトのブラウザである SeaMonkey との相性が悪いようだった。文書作成ですら、非効率で困った。

    そこで、ブラウザを変更するために、Google Chrome をインストール。

    を参考にして、

    をダウンロードして、PETget パッケージマネージャで開き、インストールした。

    これにより、日本語入力での問題がなくなった。

     

    Windows の共有フォルダへアクセス
    • メニューより、ネットワーク > Pnethood Samba 共有

    を起動し、ネットワーク内の共有フォルダに connect ボタンで、接続。show ボタンにより、内容を表示させることができた。

    とりあえず、文書作成用の PC として、使えるようになった。

    1 件のコメント:

    1. XP サポート終了に向け思案しておりました。とても分かりやすく参考になりました。

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